アクセスマップ


弁護士コラム

借家の地上げ(弁護士 芝原明夫のコラム)

中国人が不動産価格を上げているという。その為か、地上げに関する相談が増えました。たしかに、戦後すぐに建てられた建物の耐震性能が悪く、大地震に耐えられない建物があることは間違いないでしょう。

平成4年(1992)にできた借地借家法が定着し、貸す側の力が強くなって、様々な契約が出来るようになり、バブル期以降はあまり地上げ問題はありませんでした。ここにきて、地上げが起こってきているケースのほとんどは、旧借家法の適用を受けている場合です。

建物の所有権移転直後に、なにか輩的人物が来て、2ヶ月で僅かな金額で明渡しを求めてくるという典型的な地上げケースもありました。近時の判例は、家主さんの明渡し理由(正当事由)にプラスして退去料を提示すれば、6ヶ月前の予告で明渡しを認めるケースが多くなってきています。世帯数より住戸数の方が多くなり、マンションの空室もあるという時代の流れがあるので、ある意味やむをえないかもしれません。

ここで、退去料の中身をみてみましょう。住居の場合、同等の建物に移転するとして、移転費用、新規契約する場合の保証金差額や賃料の差額3~5年分、諸費用を積み上げて計算します。営業している店舗の場合は、これに加えて新装費用、営業補償がプラスされます。それなりに利益を上げていれば、営業補償は数千万円になることもあります。

バブルのときは、借家権価格を要求することもありましたが、現在はあまり使いません。いずれにしても、家主さんと、借主さんとのそれぞれの事情を比較して、公平なところで決めることになるでしょう。