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事例紹介

少数株主権(その2―多数株主の横暴をチェック)(弁護士 芝原明夫のコラム)

3人兄弟で経営している会社がありました。次男の人が頑張って取引を拡げ経営努力して大きくしましたが、株式は3分の1ずつでした。昔のことで長男を立てて社長にしていましたが、次男が亡くなってしまい、長男が引退し、三男が社長になり、長男の子が事業を継いでいました。小さな会社なので株主総会や取締役会は開かれておらず、次男家族には、簡単な決算状況のメモだけが郵送されていました。3分の1株主なので、詳しいことは聞いていませんでした。

長男の子が社長になった直後に、会社敷地の半分を売却したことが判ったので、そのことを聞いたら、会社のことに口出しするな、とけんもほろろの回答で全く話にならない状態でした。

そこで、3分の1の株主なので100分の3を超えていますから、少数株主権を行使して、帳簿閲覧請求をしたところ、決算書上会社は10年程赤字が続いているのにも拘らず、三男が社長を辞めるときに、数千万円の退職慰労金が出されていたり、不良在庫が処理されていないことが判明しました。そして、会社敷地の売却価格が相場より安いことも判明しました。

そこで、やはり少数株主権により業務検査役選任申立を裁判所に出しました。多数株主・会社経営陣も慌てて株主総会を開いたりしてクリアしようとしましたが、業務検査役が選任される可能性があることから、次男家族の3分の1の株式を買い取る方向となり、円満に解決することができました。

このように、少数株主といえども、「帳簿閲覧請求権」や「検査役選任申立」をすることにより、会社の実状を把握できて、解決の道筋を見つけることができます。

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