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弁護士コラム

新人弁護士の奮闘記――その2“業界用語(繊維業界)”(弁護士 塚井一将のコラム)

弁護士 塚井 一将

 裁判所に証拠を提出する際に選ぶ証拠は、契約書や領収書といった書証(書き物の証拠)という客観性の高いものが中心になりますが、それだけではどうしても立証できる部分にスキマができてしまいます。そのスキマを埋めるためには、人の言葉による説明(供述証拠)が必要です。弁護士は、申立てに必要な情報を聴き取ったうえで、多くの場合「陳述書」という書面にまとめます。

 聴取りの際、依頼者の方の業界独自の専門用語が出てくることは避けられません。

 たとえば、繊維業界でいえば、生機(きばた、染色前の生地のこと)、度目(どもく、繊維の網目の詰まり具合のこと)、帳端(ちょうは、納品書・請求書上の納品日を実際よりも後の日付にずらすことで支払いの期限を延ばす商慣習)などがあります。

 弁護士になって1~2か月の頃は、「わ、そんな言葉知らない!」とパニックになっていましたが、今では「これは裁判官も知らなそうな言葉だ。しっかり補足説明しよう!」というふうに意識を向けられるようになってきました。

 依頼者の方に対し、自分が納得し、他人に説明できるくらいまで繰り返し聴き直すこともしばしばで、陳述書の案の記載内容を確認していただいた際に、依頼者の方から「業界人でないのに業界用語を分かりやすく書いてはりますね。」と言われた時は嬉しかったです。

 今後も、業界用語の説明を分かりやすく記載しつつ、弁護士としての経験値を向上させていきます。