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弁護士コラム

駆け出し弁護士の奮闘記――その2“公正証書遺言”(弁護士 塚井一将のコラム)

 社会の高齢化が進んでいます。後世にトラブルを残さないために、遺言状の作成に関心が高まっているように思います。

 自筆証書遺言の場合、内容の全文、日付、氏名及び押印があればよいことになっています。しかしながら、遺言が無効と判断されたり、検認(家庭裁判所で遺言状の状態を保全してもらう手続き)が必要だったりします。

 弁護士としては、多少手続が面倒だったり、手数料が掛かったりしても、公正証書の形で遺言状を残す方法をおすすめします。

 公正証書遺言について、今回は費用について記述したいと思います。手数料は、遺言をする人(遺言者)の全財産の評価額により変わってきます。

 ある方の遺言のケースを挙げると、主な財産は不動産で、ほかに貴金属などの動産類があるという状況でした。

 不動産については、固定資産評価証明書を取得し、貴金属については、インターネットオークションなどを参考にしながら評価額を算出しました。遺産となる財産の総額は、約3500万円と評価されました。

 公証役場のホームページには手数料の一覧表が載っています。それによると、総額5000万円以下の場合、2万9000円がベースとなりますが、総額が1億円未満の遺言の場合、これに1万1000円が遺言加算として加えられることになっています。

 更に、私も今回担当して初めて知ったのですが、祭祀承継(お墓やお仏壇など先祖代々に関するものを引き継がせること)の規定を入れると(通常入れます。)、もう1万1000円が加算されることになります。

 謄本代などの用紙代金を合わせると、手数料は全部で5万5000円となりました。これらは、弁護士に遺言状の作成を依頼した場合に掛かる費用とは別に掛かることになります。

 公証役場への手数料は、必ずしも安い金額とは言えません。ただし、遺言が無効となったり、無くしてしまったりしまったりするリスクなく、公的な形で遺言を残せることには、大きな意味があると考えます。

 皆様も、公正証書遺言に作成を検討されてはいかがでしょうか。