アクセスマップ


弁護士コラム

「M&A」その2(弁護士 芝原明夫のコラム)

M&Aその1では、会社を買う方が大変だと言いましたが、企業の形態によっては、「簿外債務」問題を避けることができます。

ここでは、一般的な「営業(事業)譲渡」「工場買取」の方法も利用できます。あくまでも、企業形態によってです。猶、平成17年に成立した新会社法では、「営業」を「事業」という表現にしています。

たとえば、工場があり、設備があり、従業員がいるようなメーカーの場合、工場や設備を売買で取得し、得意先との関係では事業譲渡を受ける形で、売る方の会社の債権債務関係と切り離す方法です。得意先の同意や、従業員の人の同意は必要ですので、色々と問題はありますが、最大の問題「簿外債務」のリスクは負いません。

又、事業の引き継ぎについてもスムーズに行きます。

但し、このように過去の債権債務と切り離しても、売り主会社の名称や近似のものを使用すると、責任を問われる場合がありますので注意しなければなりません。

ところで、新会社法は、会社分割を多くのケースで認めましたので、M&Aでも使える場合があります。

吸収分割や新設分割が使われますが。多くの場合、ある程度の規模で、事業所が複数あるといった場合です。この場合、債権債務が承継されますので、あまり簿外債務リスクがないような場合に限られます。